はじめて頭に乗った記念日なので写真を撮った。

とった写真を見て、「お互いボサボサですね。」と言うと、「そうですね。」と言うかのように、「ピッ!」と鳴いた。
そう、ぶんすけはボサボサなのだ。
ぶんすけの換羽がめきめき進行中だ。


“進行中”という言葉に”めきめき”を合わせるのが正しいのかはよくわからないが、とにかく”めきめき”なのだ。
これは4日前のぶんすけ。
1週間程前は、抜け落ちた羽がたくさんあるものの、頭の白いツクツクがなかった。
私がツクツクと呼んでいるのは、新しい羽の軸のことだ。羽軸という。この羽軸が開くと羽になる。
4日前くらいからいきなり頭にツクツクがたくさん出てきた。なんだか痒そうだ。

3日前のぶんすけ。
ツクツクが伸びているものの、まだ開いていない。

「誰に許可取って写真撮っとるんじゃワレ。」と言われた。気がした。
私の中ではぶんすけはゴリゴリの関西人設定なので、ゴリゴリの関西弁で喋る。
尻尾もいつのまにか生えていた。
真ん中の長い尾羽が古い羽で、両サイドの短い羽はここ数日でにょきにょき伸びてきた羽だ。
尾羽はくわえやすいようで、抜けたらすぐに持って来てくれるのでいつ抜けたかわかる。
この日も粛々と尾羽を献上しに来た。
尾羽を持ってこないといけないルールはうちにはないが、毎度毎度しっかり持ってくる。
今日のぶんすけはさらにボサボサツクツクだ。
整髪料でも使ったんですか?と聞きたくなるようなヘアスタイルで私の帰りを待っていた。
ここまで来ると羽軸も開いて、大人の羽になってきた。
....黒い。
でも、いざこんなに真っ黒な羽を見せられるとおかんはすごく寂しい。寂しい!
ペンギンカラーが可愛くて桜文鳥にしたはずなのに、黒い羽を見た途端に寂しさが押し寄せた。ああ寂しいよー。さびしい。
(順調に換羽が進んで、立派な大人の羽になってるんだからいいこと!これからどんどんかわいくなっちゃうんだから!)
と自分に言い聞かせて寂しさを抑えている。
(好きな人達とぶんすけのこと、私が守るんだ。
いや、金銭的には守れないけど...なんかなんにも知らない奴が好きな人達のこと悪く言ったり、心を踏みにじったら、私が一番に前に出て文句言ったりしてやる!私が守るんだ!)
という気持ちになる。この感じだと全然守れそうにない。