恋人が先週の土曜日に「宮本から君へ」を観に行っていた。
観終わった恋人は、興奮したように「やばい。宮本から君へ、トップ10入った」とラインをよこした。
恋人と私は結構映画が好きだ。
毎週末会っている時はたいてい映画館に行っているし、だいたい暇な時はNetflixを観ているし、やることがなければゲオに行く。
そんな恋人のトップ10に入ったと言う「宮本から君へ」はいったいどんな映画なのか。興味が湧き、観に行くことにした。
観た。はっきり言ってめちゃくちゃ良かった。
本当に、めちゃくちゃ良かった。
まず、主演二人。この二人が本当にすごい。
主演の池松壮亮ももちろん素晴らしく、池松壮亮の出演作品に多い、淡々とした演技や大人しめの演技ではなく、全力の、これでもかというほど熱い演技で魅せてくれる。
しかしやはり蒼井優には圧倒された。
もはや怪演だ。靖子に容赦無く降りかかってくる災難に、蒼井優はぐちゃぐちゃの顔で、全力で演じる。
他に、拓馬というキャラクターを演じる一ノ瀬ワタルという役者がいるのだが、かなり憎らしくて役にぴったりだった。
2ヶ月で33kg増量したらしい。すごい。
こいつ(拓馬)は本当に救いようがない。
今でも腹が立つ。
ちなみに拓馬の父親がピエール瀧。
この映画を撮った後に薬物問題があって捕まったのだが、無事今回公開されることになった。
ちゃんとピエール瀧もがっつり出ている。
序盤、二人が晴れた日に外であることをしている時に、宮本が「幸せだなあ」と言うシーンが印象に残った。
私もそんな風に思うなあ。なんて思った。
本当にすごく些細なシーンなのだけれど。
終わり方もよかったなあ。
あと、台詞ですごく好きなのがあった。
エンドロールは、まるで違う映画を観ているようで、なんだか南瓜とマヨネーズを観ているような、えっとつまり、川島小鳥の写真を観ているような、幸せな気持ちになった。BGMはめちゃくちゃアツい宮本浩次なんだけど。
「宮本から君へ」はドラマ化もされており、ドラマは”新人熱血営業マンの成長ストーリー”といった感じだった。
映画もそんな感じなんだろうか。と思っていたが、全くそうではなかった。
どうやら、原作漫画では前半がドラマ化された部分、後半が映画化された部分のようだ。
映画は完全にラブストーリー。恋愛映画だ。
それも生命力に溢れた、熱くて、痛い、凄まじい恋愛映画だ。
これを”痛い”ではなく”イタい”と思う人もいるだろう。
しかし私は、全力で戦って、全力で愛し、全力で生きる。
そんな宮本と靖子を”イタい”と思えなかった。
これは最高に暑苦しい、痛くて生命力に溢れた恋愛映画だ。
観終わった後、今愛している人を離さずにいようと思える。そんな映画だった。
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