私と恋人がひたすら文鳥を愛でる休日だった。
恋人はぶんすけに夢中になり、私が購入した”幸せな文鳥の育て方”や”小鳥のキモチ”を隈なく読んで、「文鳥は◯◯らしいで。」「ぶんすけは今こうらしいで。」と、新たに得た鳥についての知識を話して教えてくれた。
ぶんすけを放鳥してからケージに戻した後も、「ぶんすけ出していい?」「ぶんすけ出たいよなあ?」と頻繁に放鳥したがる。どうやらぶんすけにメロメロのようだ。


ベッドの上で3人で寝転びながら、恋人はずっと手の中のぶんすけを愛でていた。ぶんすけもすっかり慣れた様子で、されるがままに可愛がられている。少し嫉妬したが、(大丈夫...ぶんすけにとっての一番は私だから...恋人なんて二番目の男だから...ぶんすけが一番好きなのは私...)と自分に言い聞かせて乗り越えた。
3人で仲良くしていると、本当に幸せな気持ちになるので、ぶんすけをお迎えしてよかったなあと心から思う。好きな人が好きな人と仲良しなんて最高だ。片方は人じゃないけど。
恋人は、「ぶんすけ...俺と変わって仕事に行ってくれ...入れ替わってさ...君の名はみたいに...」とぶんすけに話しかけ、
「鳥はすごいな...犬猫に勝てるかわいさや...癒される...それに比べて人間はクソ...」
という謎の言葉を残し帰って行った。
最近のぶんすけ。
スマホをいじっているとすぐに乗ってきて、指にかじりついたり画面をつついたりしている。